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46 霊的な曙 L'Aube spirituelle


        46 霊的な曙

放蕩者らの店に、白と紅の曙が
心をさいなむ「理想」と一緒にさし込むとき、
復讐する神秘の作用により
まどろむ獣のなかに一人の天使が目を覚ます。

「霊的な天」近寄りがたい紺碧は、
打ちのめされ、なおも夢み苦しむ男のために、
深淵の吸引力をともなって、開き奥深く続いている。
したがって、いとしの「女神」、明快で純粋な「存在」、

愚かな乱痴気騒ぎのくすぶる残骸のうえに
君の思い出は、もっと明るくばら色で愛らしくて、
大きくした私の眼に絶えず浮かんでいる。

太陽はろうそくの炎を黒くした。
したがって、いつも勝ち誇る、君の幻影は、
不滅の太陽に似ている。輝く魂!


45 告白 Confession

         45 告白

一回、ただ一度、愛想のよい優しい女、
   私の腕に磨かれたあなたの腕が
もたれかかった(我が魂の暗い背景のなかで
   あの思い出は少しも色あせない)。

遅い時刻だった、新しいメダルのように
   満月は誇示していた、
そして夜の荘厳は、大河のように、
   眠るパリの上を流れていた。

そして家々に沿って、それぞれの表門の下を、
   猫たちはこっそり立ち寄っていた、
聞き耳を立て、あるいは、親しい亡霊のように、
   ゆっくり私たちに同行するのもいた。

突然だった、ほのかな光の下で花ひらいた、
   自由な親しさのなかで、
輝かしい陽気しか振動しない、
   豊かでよく響く楽器のあなたから、

きらめく朝のファンファーレのように
   明るく楽しいあなたから、
愁いに満ちた音色が、奇妙な音色が
   よろめきながら漏れ出た、

まるでひ弱で、醜く、陰気で、汚い女の子のように。
   彼女の家族が赤面し、
彼女を世間から隠すために、穴倉のなかに
   長く秘密にしていたであろう女の子だが。

哀れな天使、甲高いあなたの音色が歌っていた。
   「何もないわ、この世で確かなものは、
そして相変わらず、どんなに入念にお化粧しても
   表れるのは人間のエゴイズム!

美しい女であることは、つらい務め、
   でも平凡な仕事よ、
機械的に微笑して、うっとりする
   浮かれて冷たい踊り子の!

人の心の上に建物を築くのは、愚かなこと、
   愛と美はすべて裂ける、
『忘却』がそれらを『永遠』に返すために
   背負いかごにそれらを投げ入れるまで!」

私はしばしば思い起こした、あの魔法めいた月を、
   あの沈黙とあの憂愁を、
そして、心の告解室でささやかれた
   あの恐ろしい打ち明け話を。


44 可換性 Réversibilité


         44 可換性

陽気でいっぱいの天使、あなたはご存じか、苦悩を、
恥辱、悔恨、すすり泣き、心配事を、
そして漠然とした恐怖を、それは皺くちゃにした紙の
ように心臓を締めつける、あの恐ろしい夜々のものだが?
陽気でいっぱいの天使、あなたはご存じか、苦悩を?

善意でいっぱいの天使、あなたはご存じか、憎悪を、
暗闇で握られた両の拳、苦汁の涙を、
「復讐」が地獄の集合太鼓を打ち鳴らし、
我々の能力の隊長になるときだが?
善意でいっぱいの天使、あなたはご存じか、憎悪を?

健康でいっぱいの天使、あなたはご存じか、「熱病」を、
それは青白い施療院の高い壁に沿って、
流刑者たちのように、のろのろした足どりで立ち去る。
まれな太陽を求め唇をうごめかして?
健康でいっぱいの天使、あなたはご存じか、「熱病」を?

美でいっぱいの天使、あなたはご存じか、皺々を、
老いることの恐れを、あの忌まわしい苦痛を、それは
渇望する我々の眼が長年味わった眼のなかで
献身のひそかな嫌悪を読むときのものだが?
美でいっぱいの天使、あなたはご存じか、皺々を?

幸福、喜び、光でいっぱいの天使、
瀕死のダヴィデ王は君の魔力ある体の霊気に
健康を求めたかもしれない。
だが君に私がこい願うものは、天使、君の祈りしかない、
幸福、喜び、光でいっぱいの天使!


43a 陽気すぎる人に A celle qui est trop gaie


      43a 陽気すぎる人に

君の頭、君の仕草、君の雰囲気は
美しい風景のように美しい。
その笑いは君の顔に戯れる。
明るい空の爽やかな風のように。

君がすれ違う陰気な通行人は
君の健康に目がくらむ。
それは君の両腕から、両肩から
光のようにほとばしっている。

よく反響する色彩は
君の装いにちりばめられているが
詩人の精神に
花々のバレーのイメージを投げ入れる。

それらの気違いじみたドレスは
色とりどりの君の精神のエンブレムだ。
気違いじみた女、私が恋に狂った人だ。
私は君を憎む、私が君を愛すると同じくらい!

時どき美しい庭のなかで
そこは私が自分の無気力を引きずっていたが、
私は太陽が私の胸を引き裂くのを
皮肉のように感じた。

そして春と草木の緑が
私の心をとても侮辱した、
それで私は一輪の花に対して
「自然」の無礼を罰した。

したがって私は、ある夜、
快楽の時間の鐘が鳴るとき、
君の体にあるそれらの宝物へ、
臆病者のように、音もなく這い進みたいものだ、

うれしい君の肉体を懲らしめるために、
赦された君の乳房を傷つけるために、
それから驚いた脇腹に
大きく開いた傷をつけたいと思う、

そして、目くるめくばかりの甘美!
もっと輝き、もっと美しい
この新しい唇を通して
私の毒液を君に注ぎたいものだ、我が妹!


43 生きている松明 Le Flambeau vivant

      43 生きている松明

彼らは歩く、私の前を。これらの「眼」は光に満ち、
ある博識な「天使」が、おそらく磁化させた物だ。
彼らは歩く、これらの神々しい兄と弟は、私の兄弟で、
私の両目にダイヤのように輝く炎の衝撃を与えながら。

私をすべての罠から、すべての重いシンから救いながら、
彼らは私の歩みを「美」からの道へ連れて行く。
彼らは私のしもべで、私は彼らの奴隷だ。
すべての私の存在は、この生きている松明に従う。

すてきな眼々、君たちは神秘の光で輝いている。
それは白昼に燃える数々の大蝋燭が持つ物だ。太陽は
赤く燃えている、だが幻想の彼らの炎を消しはしない。

それらの蝋燭は「死」を称え、君たちは「目覚め」を歌う。
君たちは歩く、私の魂の目覚めを歌いながら。
星々だ、どんな太陽もその炎を衰えさせられない!


42 <今宵君は何を語る. . .> <Que diras-tu ce soir...>

 
    42 <今宵君は何を語る. . .>

今宵君は何を語るのか、孤独で哀れな魂、
君は何を語るのか、我が心、かつてしおれた心、
実に美しい人に、実に優しい人に、実に愛しい人に、
神々しいその眼差しが君を突然、再び花を咲かせた人に?

― 我々は誇りをもって彼女の賛辞を歌いましょう。
何ものも、彼女の威厳の優しさにはかないません。
彼女の霊的な肉体は天使の香りを持ち、
彼女の目は我々を光の衣で包みます。

夜のなかでも、孤独のなかでも、
街のなかでも、群衆のなかでも、
彼女の幻影は空に舞う。松明のように。

時おりそれは話しかけて言う、「私は美しい、それで私の愛
のために、あなたが<美>しか愛さないことを私は命じる。
私は<守護天使>、<美神>そして<聖母>です!」


41 すべて完全な Tout entière

      41 すべて完全な

「悪魔」が、高所にある私の部屋へ、
今朝、来て私に会った、
そして、私の過ちの現場をわざと押さえるつもりで、
私に言った、「わしは、よく知りたいものだ、

彼女の魅力がつくられている
すべての美しいもののなかで、
彼女の魅了する体を構成する
黒の、あるいはピンクの物体のなかで、

最も甘美なものは何かな。」― オーわが魂!
君は「嫌われ者」に答えた、
「彼女については、すべてが癒しの薬草だ、
何も選ばれることはできない。

すべてが私をうっとりさせるのに、何かが私の
心をとらえるのかどうかなんか、私は知らない。
彼女は曙の女神のように目をくらまし
夜の女神のように慰める。

そしてすべての彼女の美しい体をつかさどる
その均整はあまりにも上品である。
無力な分析によって
その多数の和音を記譜するには。

オー神秘のメタモルフォーゼ
すべての私の感覚がひとつに溶け合っている!
彼女の吐息は音楽をなす、
彼女の声が芳香をなすように!」


40 彼女ハイツモ同ジ Semper eadem


     40 彼女ハイツモ同ジ

あなたは言った、「どこからあなたに来るの、黒い裸の
岩に向かう海のように上がる、この奇妙な悲しみは?」
― 我々の心がひとたび収穫をしてしまえば、
生きることはひとつの災いだ。それは誰もが知る秘密、

きわめて単純で不思議のない苦痛、
それも、あなたの喜びのように、誰に対しても明らかだ。
だから探し求めるのはやめなさい、オー詮索好きな美女!
そして、あなたの声は心地よいが、黙りなさい!

黙りなさい、無知さん! いつも有頂天なあなた!
子供っぽい笑いの口もと! 「生」よりもさらに
「死」は、微妙な紐で私たちをしばしば掴む。

そのまま、そのままにさせておくれ、私の心が嘘に酔う
のを、美しい夢想のようにあなたの美しい眼に
飛び込むのを、あなたのまつ毛の陰に長くまどろむのを!


39 <私はこれらの詩を. . .> <Je te donne. . .>


    39 <私はこれらの詩を. . .>

私はこれらの詩を君に与える、その目的は、
もし私の名が幸運にも遠い後の時代に着岸し、
ある晩、人間たちの脳に夢を見させるならば、
大いなる北風に恵まれた大船、

君の記憶が、不確かな伝説に似て、
ツインバロンのように読者を疲れさせ、
そして友愛の神秘な鎖の環によって
私の尊大な詩につるされたままにするためだ。

呪われた存在、君に、深淵から
空の最高まで、私のほかに、何も答えない!
― オー君は、はかない痕跡の影のように、

軽い足どりと晴朗なまなざしで踏みにじる、
君を苦いと判断した愚かな人間たちを、
黒玉の眼の彫像、青銅の額の偉大な天使!


Ⅳ 肖像 Le Portrait


            Ⅳ

            肖像

「病気」と「死」は、灰にするのだ、
我々のゆえに燃え上がったすべての火について。
あんなに熱烈であんなに優しいあの大きな両眼について、
私の心が溺死したあの口について、

ハナハッカのように力強いあれらのキスについて、
日の光よりも激しいあれらの興奮について、
何が残っているのか? ぞっとする、オー愛しの人!
ただ一枚のデッサンだけだ、色淡く三色で描かれている、

それは、私のように、孤独に死ぬ、
そしてそれを「時」が、無礼な老人だが、
毎日あの粗野な翼でこすりつける. . .

「生」と「芸術」の黒い暗殺者、
おまえは私の記憶のなかで決して殺しはしまい、
我が快楽、我が栄光であった女を!